木造住宅の外壁通気工法とは? 外壁リフォームで気を付けること

外壁の「通気工法」とは何か?ご存じない方も多いと思いますが、木造住宅に安心・安全・快適に長く暮らすために必要なものになっています。

 「外壁通気工法?」初めて聞きました。それはいったい何なのでしょうか?

A サイディングなどを外壁に使用する場合に「外壁通気工法」が義務付けられました。

  「住宅かし保険」の規定によるもので、サイディングメーカーの製品保証の条件にもなっています。

こちらの記事では「外壁通気工法」は何かを知っていただき、これから外壁リフォームを検討されている方には外壁の塗り替えや張替えの際に気を付けることは何か?をご参考にされてください。

今回は「木造住宅の外壁通気工法とは? ~外壁リフォームで気を付けること~」について下記内容を詳しく説明したいと思います。

・外壁通気工法について
・外壁の通気について
・外壁通気工法のメリットデメリットについて
・外壁リフォームで気を付けること
・外壁塗装の優良業者選び方
・一網工業株式会社ならできること
 
 「住宅かし保険」とは…

住宅瑕疵(かし)担保保履行法により定められた新築住宅を購入する消費者を守る保険のことです

 

外壁通気工法について

「外壁通気工法」とは、簡単に説明しますと木造住宅の外壁の内側の湿気による結露やカビを防ぐために、壁の内側の湿度を外部に放出させる手段のことを言います。

 壁の内側のに結露やカビが出来てしまうのですね!

A はい。そうなんです。「外壁通気工法」は大切な家を守るためにとても大切なことなのです。

 

長年日本で行われてきた「直張工法サイディング」は柱の外側に防水紙を張り、その上から直接外壁材のサイディングを張り付けてきた工法です。

「外壁通気工法」をしていないと木造住宅の室内からの湿気が外壁に入り込んだり、断熱材に欠陥などがあった場合に外壁の中で結露を起こす場合があります。
とくに寒冷地方では壁の内側の湿度で結露(内部結露)やカビが発生してしまう事例が多く報告されています。
この壁の内部結露は木造住宅の大切な骨組みである木材が腐ってしまい建物自体の耐久性を低下させせたりします。また、室内の壁の石膏ボードの裏側にカビを発生させてしまい、気づかないうちに室内環境が良くない状態になっていってしまいます。
 
このような外壁の内側の結露やカビを発生させないため「外壁通気工法」という方法が開発されました。
「外壁通気工法」とは、壁の内側を透湿防水シートで壁を覆い外壁材との間に外気が流れる通気層を作り、透湿防水シートから壁の内側の湿気を通気層から壁の外部に放出するという工法になります。
 
透湿防水シートとは…

湿気は通すけれど、雨は内側に通さない性質の材料のことです

 
 

外壁の通気について

屋根も防水紙を張っています

 

サイディングを貼る前に透湿防水シートを張った状態です

 

 

壁の中の空気の流れ

「外壁通気工法」は、外壁の下と上に空気が通る「通気層」を設けることです。
外壁の下の隙間から空気が入り、軒下の換気口に向かい空気が流れて、外に出ていきます。
空気の流れが出来ることで、壁の中の結露を防止し耐久性を高める働きをしてくれます。
 
また壁内の水蒸気を「通気層」に出すように透湿防水シートを張ります。透湿防水シートにより外部から入ってきた水分や湿気は「通気層」で止められ、建物の内側からの湿気は壁の中で溜まることがなく透湿防水シートから「通気層」に流れ外に排出されます。

 

外壁下部分

軒下裏の部分

 

 

外壁通気工法のメリットデメリットについて

 

外壁通気工法のメリット

「外壁通気工法」のメリットは、通気層があることにより防湿・防水効果が高まり壁体内結露が少なることで、建物自体の耐久性を向上させられることと、壁体内のカビの発生を抑えることで健康被害も防げる点です。

建物自体の耐久性が向上する

「外壁通気工法」では、建物の壁と外壁の間に設けた「通気層」と建物の外側に張った透湿防水シートで水分や湿気を外に出すという、防水効果と防湿効果があります。

建物の壁体内に発生した湿気や水分をそのままにしていると、構造に関わる部分や柱が水分を吸い腐食することで建物の耐久性を落とすことに繋がってしまいます。

ですが「外壁通気工法」を採用することで建物の壁体内の防水・防湿効果から建物の構造に関わる部分や柱などの腐食等が守られ、建物自体の耐久性が向上することに繋がります。

 

健康被害を防ぐことになる

壁の内側に湿気などの水分が溜まってしまうとカビが発生しやすくなります。カビが発生してしまったままでやいると家の大切な骨組みの木材の奥深くまでカビが根付いてしまいカビを簡単に除去することが出来なくなってっしまいます。そうなると大掛かりな改修工事が必要になってしまいます。

また、室内にカビが広がってしまい住んでいる人の気管支喘息や肺炎・結膜炎などの原因となり健康面で悪い影響を及ぼしてしまいます。

外壁通気工法をすることで、壁の内側を通気することでカビのもとになる湿気を排出することが出来健康被害を未然に防ぐことに繋がるのです。

 

外壁通気工法のデメリット

「外壁通気工法」にも多少ですがデメリットはあります。

 

火災時に通気層から火災が広がってしまう

外壁通気工法の「通気層」は建物から湿気や水分を防ぐためのものですので、内部の木材は湿気が取り除かれた乾燥した木材の状態になっています。

「通気層」は空気の通り道になっていますので、通気層は「煙突」のような働きを持っています。
通気層に炎が入り込んでしまうと一気に建物に燃え広がりやすい危険性があります。

 

通気層の厚みの分建物のが大きくなる

外壁通気工法で設けられた通気層の厚さの分、外壁に厚みが増えてしまうため建物の大きさが大きくなり、敷地に希望通りの部屋の大きさの建物が建てられないケースもあります。

通気層の厚みは少ないですが、特に敷地が小さい場合には気を付けた方が良いでしょう。

 

外壁の強度が落ちる

外壁通気工法のデメリットは、外壁の強度が落ちてしまうことがあります。外壁通気工法は、柱と外壁の間に通気層を設けることで空気の通り道を作りますが、その通気層の隙間がありますので外壁を打ち付ける釘に負担がかかります。直接柱に外壁を張る「直張工法」であれば外れにくい釘が、通気層の隙間のある「外壁通気工法」では衝撃を受けると釘が外れてしまうこともあるのです。

以前新潟で起きた中越沖地震で、外壁通気工法で建てられた住宅の外壁が実際に落下した住宅が多かったと言われています。

 

 

外壁リフォームで気を付けること

外壁のリフォームのをする際、「塗り替え」なのか?「張替え」なのか?で迷う方もいらっしゃると思います。

ご自宅の外壁が「通気工法」なのか「直張工法」なのかで気を付けることが違ってきます。
まずは外壁が「通気工法」なのか「直張工法」なのかを確認することをお勧めいたします。
 

 

今から10~20年前はサイディングの張り方に基準がなく、「通気工法」「直張工法」でも建築が可能でした。
「直張工法」の方がコストが安かったこともあり、価格を抑えたい場合や建売住宅では「直張工法」の方が多く採用されていました。
 

ですが「直張工法」のデメリットである壁体内結露による不具合や健康被害などが多くみられるようになり、「外壁通気工法」が品確法で推奨されるようになってきました。また今日では、サイディングなどを外壁に使用する場合は、「住宅かし保険」の規定で「外壁通気工法」が義務化され、サイディングメーカーの製品保証条件ともなっています。

今から10~20年前の建物はほとんどが「直張工法」で、最近の建物であれば「通気工法」がほとんどであると想定されます。
 
品確法とは…
住宅の基本的な性能に関する共通ルールを目的としています

 

「通気工法」「直張工法」の見分け方

外壁から確認

確認方法1

建物の基礎と外壁の土台の水切りから隙間を除いて確認する方法です
「通気工法」は胴縁の上からサイディングを張り付けているので胴縁の分壁に厚みがあるのが解ります。
ですが中には判断がつかないこともありあります。

 

 

 

 

確認方法 2

外壁のコーキングにカッターで剥がします。
剥がしたコーキング部分にパールなどを入れて浮かせると、外壁の中が確認できます。
 
確認後は剥がしたコーキングを打ちなおしましょう。
 

通気工法サイディングの場合

「通気工法」の外壁リフォームの場合は塗り替えで大丈夫です。

塗り替えの場合は、内部まで施工しないため外壁リフォームの価格を抑えることが出来ます。

ですが外壁の状態が悪く張替えが必要になった場合でも、再度通気工法での張替えが出来ます。

建物のを建てた業者により通気工法が独自のものを採用している場合もありますので、建築図面や建築業者に確認することで問題なく施工が出来ます。

 

直張工法サイディングの場合

「直張工法」で外壁リフォームをする場合は、塗り替えではなく張替えをお勧めいたします。
 
「直張工法」日本でサイディングが普及され始めた頃の工法で、後から壁体内結露が原因とする不具合が多く見つかっています。またサイディングに水分が入り込むことで塗膜が剥がれたりする可能性などもあります。
そのため外壁リフォームの際にはそのまま張替えや塗り替えをするのではなく、「通気工法」の張替えをすることをお勧めいたします。

 

 

外壁塗装の優良業者選び方

ハウスメーカーによるリフォーム

できるだけ信頼のおける業者を選びたいものです。

業者を選ぶポイント3点

 ・許可や資格のある業者
 ・質問に的確に答えてくれる業者
 ・見積もりの詳細が明確な業者

最近の外壁塗装業者は保証をつける業者も増えています。ですが中には悪徳業者もいて保証期間内に会社をつぶす業者もいます。そのため、保証の有無だけで業者を選ぶのは危険です。

しかしながら、信頼のおける業者であれば保証がついているとさらに安心できるでしょう。

外壁も屋根も年数が経てば補修は必要なので、外壁や屋根に現れる塗り替えのタイミングを見逃さないようにして良い業者を選択してください

また、未熟な業者に依頼すると外壁塗装がきちんとできていなく1年で塗膜がはがれるしまう可能性もあったり、悪質業者に依頼してしまうと手抜き工事などで3年もたないこともあます。

外壁塗装の耐用年数は会社によって決まると言ってもよいほど、業者選びはとても重要なのです。

 

Q どうやって優良業者を探せばいいのですか?

A 以下の方法を試せば優良業者を探しやすくなります

 ・事前診断をしっかりしてくれる
 ・スケジュール管理がしっかりしている
 ・納得できる見積もりをつくってくれる
 ・保証について
 ・ご近所への挨拶周り

 事前診断をしっかりしてくれる

外壁塗装をする際には、外壁がどのくらい劣化しているかを調べる必要があります。

そして今どのような状態にあるのか撮影した写真や動画などで状態の説明をしてくれないかったり、適当な回答しかしてくれない場合は、注意してください。

なぜなら、実際に診断をしていない可能性があるからです。

必ず診断の結果に納得がいくまで質問して、すべての回答にしっかりと答えてくれる業者を選びましょう。

また資格を有していない営業マンなどが外壁を確認して、誰にでもわかるようなひび割れやカビなどを見せ、診断を行ったかのように説明する場合もありますので注意してください。

外壁塗装は、依頼する業者が資格を持っている専門家であること確認することが重要です。

 

スケジュール管理がしっかりしている

外壁塗装にかかる時間としては、天気や気候などにも影響されますが大体1週間から4週間程度見ておく必要があります。

極端に作業日数が短い場合には注意が必要です。なぜなら、高圧洗浄作業や、十分な乾燥作業を行わないことも考えられるからです。

しっかりと丁寧な作業を適切な期間で行ってくれる業者を選びましょう。

 

納得できる見積もりをつくってくれる

見積もりを頼む際、何社かに依頼をするケースもよくあります。

見積もりを確認する際には、内訳が詳細に記載されているかを確認する必要があります。外壁塗装工事一式などのように、すべての工程・材料にかかる費用をまとめて記載している業者には、注意が必要です。

低価格だからという理由だけで業者を選ぶと、追加工程の費用を請求されるなどのトラブルにつながりかねません。

使用する塗料や、材料の記載などがしっかりされているかを事前にチェックすることが大切です。

 

保証について

すべての作業が完了した後の保証について、気になる点が見つかった場合や、アフターフォローをどの程度まで対応してくれるのか確認しましょう。

保証してくれる範囲については、業者によってさまざまです。

外壁塗装は、安い買い物ではありません。しっかり保証内容に目を通して、気になる点があれば納得できるまで質問しましょう。

よくある保証についてのトラブルとして、口約束のみで保証書をもらっていなかったケースや、保証書の内容をしっかり確認していなかったがために修理してほしい箇所が保証対象外だったケース、保証してくれていた業者が廃業してしまったケースなどがあります。

業者の廃業は避けられないことですが、その場合「第三者保証」という依頼した業者が廃業しても他の業者へ保証を依頼できるものもあります。

よくあるトラブルにも備え、事前に保証についてしっかりとお話ししておきましょう。

 

ご近所への挨拶周り

外壁塗装では、足場を組み立てたり、高圧洗浄機を使用したりするので大きな音を立ててしまいます。

工事中は、塗装業者の車が家の周辺に長い間駐車することになるので、そのことを迷惑に感じるご近所様とトラブルに発展してしまうことも少なくありません。

そこで外壁塗装に入る前に、必ずご迷惑をおかけすることをご近所様へお伝えするため、挨拶周りを一緒に行ってくれる業者を選びましょう。

工事の日程や、ご迷惑おかけしてしまうかもしれない点などを丁寧に説明してくれるかもポイントです。また予想外に日程が長引く場合は、事前に連絡することも必要です。

 

 

一網工業ならできること

今回の記事では、「木造住宅の外壁通気工法とは? ~外壁リフォームで気を付けること~」ついてご紹介してきました。

「一生に一度の大きな買い物」の大切な家です。
快適に末永く暮らしていけるよう、定期的にメンテナンスをしていくことが大切になってきます。
外壁も屋根も見た目が悪いと悪印象を与えてしまいます。
また、見た目はもちろん、雨漏りやひび割れは放っておくと深刻なダメージを受けるので補修は必要です。

もし外壁塗装や屋根の補修の業者選びで迷ったときには、ぜひ「一網工業株式会社」にご相談ください。

「一網工業株式会社」は外壁塗装の専門店として、お客様が安心してご依頼をいただけるよう、ニーズに合った外壁塗装をご提案いたします。

外壁塗装でお困りの際は、お気軽にご相談ください。