新築の外観はきれいなものですが、徐々に外壁が色あせたり、汚れが目立ってきたり、理想の家から遠のいていくものです。
しかし、外壁の経年劣化は見た目の問題だけではなく、外壁材の耐久性そのものにも影響を及ぼします。放置すると、住宅の耐久性を著しく低下させることになりかねません。
今回は、外壁の種類と耐久性、塗装によるメンテナンスについて見ていきましょう。
外壁の種類別耐久性とメンテナンス頻度
外壁は、その種類によって耐用年数が異なります。
サイディング
日本の住宅ではサイディング、とくに窯業系サイディングが外壁シェアの約7割を占めます。セメントや繊維原料からなり、値段の安さとデザインの豊富さが人気の理由です。
このほかに、金属系サイディングや樹脂系サイディング、木質系サイディングなどもあります。
サイディング系の耐用年数は基本的には40年程度といわれています。しかし、きっちり40年耐えてもらうにはメンテナンスが必要不可欠です。
メンテナンス頻度は、サイディングの種類により異なります。
- 窯業系サイディング:7~8年
- 木質系サイディング:8~12年
- 金属系サイディング:10~15年
- 樹脂系サイディング:10~20年
上記の期間中に1回はメンテナンスが必須となります。
また、塗料自体の耐用年数もあるため、確認が必要です。外壁にカビやコケが生えている、塗装のひび割れや剥がれがあるなど、外壁全体の汚れなどが目立つような場合、塗料の耐用年数が過ぎている可能性があります。
塗り壁
モルタルなどで塗るタイプの外壁です。日本においては約10%程度のシェアとなっていますが、独特の質感や洋風の外観が人気です。耐用年数は30年程度といわれていますが、種類によってばらつきがあります。
もちろん、塗り壁もメンテナンスが必要になります。塗り壁に多い外壁トラブルはひび割れと汚れです。とくにひび割れはモルタル一番の弱点といわれ、ひび割れは施工から数年で発生することも珍しくありません。
また、外壁の独特な仕上げにより凹凸がつきやすく、その部分に汚れが付着しやすくなります。
タイル
タイルは粘土を中心に成形され、焼き固められたものです。近年、メンテナンスフリーの外壁素材として注目を浴びています。タイルはその他の外壁材に比べて耐久性に優れている特徴があるからです。
タイルは非常に硬く、特殊なドリルでないと穴を空けられない構造をしています。また、傷もつきにくく摩耗もしにくい素材です。
しかし、メンテナンスがいらないわけではありません。タイルを張り付ける際は下地が必要になりますが、この下地にメンテナンスが必要なのです。
下地のメンテナンスを怠ると、せっかくのタイルのメリットを活かせません。タイルに関しては表面が劣化することが少ないためあまり塗装はせず、割れたタイルの交換や下地のメンテナンスが必要になります。
コーキング(シーリング)と塗装のメンテナンス
どの外壁であっても継ぎ目のコーキングがあり、このコーキングにメンテナンスが必要となります。また、外壁を長持ちさせるためには定期的に塗装によるメンテナンスが必要です。
コーキング(シーリング)の耐用年数と劣化のサイン
外壁の継ぎ目に使用されるコーキングは、一般的に5年~10年ほどで劣化するといわれています。
劣化するとコーキングがひび割れを起こしたり、剥がれたりします。これは、屋外の温度変化や降雨量により伸び縮みすることで負担がかかり、コーキングが劣化するからです。
とくに、新築住宅はその土地の環境に適応するためによく伸び縮みします。なので、新築住宅では早めにコーキングの打ち直しをすることをおすすめします。
塗装のメンテナンスと塗料の種類
外壁を長持ちさせるためには塗装が欠かせません。
外壁塗装に使われる塗料は以下のものがありますが、種類により耐久年数が異なります。
- アクリル系塗料:5~8年の耐久年数。価格は安めですが、他の塗料に比べて耐久性は低くなっています。頻繁に塗り替える必要があるでしょう。発色の良さが特徴ですが、最近は住宅の外壁に使用される例は少なくなっています。
- ウレタン系塗料:8~10年の耐久年数。光沢とツヤによる高級感が特徴です。住宅に使用される塗料の中では価格は安くなっています。
- シリコン系塗料:10~12年の耐久年数。耐久性や耐天候性は高く汚れが落ちやすい特徴があります。コストパフォーマンスに優れ、外壁塗装の定番となっています。
- フッ素系塗料:12~15年の耐久年数。他の塗料より圧倒的に耐久性や耐天候性に優れますが、その分価格は高くなっています。
短いものでは5年、長くて15年に1回は塗装の塗り直しによるメンテナンスが必要です。この通りにメンテナンスを実施することで、外壁の耐久性を長持ちさせられるでしょう。
外壁のメンテナンスを怠ると
外壁のメンテナンスを怠ると、外壁はその役割を果たせなくなります。
外壁の役割
外壁は紫外線や水などの外の環境から構造躯体を守ったり、断熱性を保ったりなどの役割があります。外壁が劣化し、中に水がしみ込んでしまうと断熱材や柱が腐ってしまい、雨漏りなどの症状に繋がってしまうのです。
耐久年数やメンテンナンス時期には外壁のチェックをしっかりおこない、必要に応じてメンテナンスを実施しましょう。
塗装の劣化のサイン
外壁の色あせ、壁に触ると色が指に移るチョーキング、剥がれ、カビやサビなどが劣化のサインです。
まとめ
外壁の耐久性を維持するためには、コーキングと外壁塗装によるメンテナンスが重要です。外壁塗装にこだわることは、家の外観がきれいになるだけでなく、家の構造躯体や断熱性能にも深く関わることになります。
住宅関係の業務をおこなっている「一網工業株式会社」では、皆さんのお悩みやご希望に沿って外壁塗装に取り組みます。まずは一度、お気軽にお問い合わせください。